震災と、梅の木と、さくらんぼの木。

震災を伝える報道を見ていて、
どうしても心に焼きついた二つのシーンがありました。

一つは、被災者のおばあさんが
壊滅した自宅の庭に残された小さな木を示して
「この梅の木、孫娘が産まれた時に植えたんです。
孫娘は津波で流されて行方が分からなくなっています。」
と告げていました。

もうひとつは、被災者の女の子。
自宅跡に戻ってみたら、
自分が産まれた時に植えてもらったさくらんぼの木が
津波に耐えて生き残っていたので泣いて喜んだって。

同じように植えられた二つの木。
きっと似たように植えられた木は沢山あったでしょう。

他にも、幼い孫を必死に抱きかかえて
倒壊した自宅の中で二人息絶えたおばあさん。

そして、幸運にも震災9日目で孫と一緒に
奇跡的に救出されたおばあさん。

そんなことを考えながら、
どうしても頭に浮かんだ言葉が溢れて来て、
拙い文章ですが、詩にしたためました。


  『震える大地』

大地が揺れました。
心が揺れました。
ふるさとが揺れました。
家族が、友達が、思い出が、全てが消えました。
黒く高く高くそびえるかたまりが、
大切なふるさとを飲み込んでいきました。

昔からの言い伝え。「揺れたら逃げろ!」
でも神様、みんな精一杯逃げたんです。
動けぬ体で幼い命を抱きしめたんです。
神様、私の大切な人たちを
憎んではいませんでしたよね?

廃墟の中に生き残ったわずかな命。
何もかも失って体一つしかない私。
吹雪の中にずぶ濡れでたたずんで、
人間はなんて弱い生き物なんだと知りました。

でも、弱いからこそ、
みんなが探しあう、
助け合う、
力を合わせる。
そっと毛布をかけてくれたあなた。
真心にありがとう。

生き残った思い出の木。
もうすぐ春です。
きっと芽吹きます。
私もこの木のように
大地をしっかり掴まえて、
荒地に枝葉を伸ばしましょう。

いつか花が咲いたら、
新しいふるさとができるでしょう。
そして再び私は言い伝えるのです。
「揺れたら逃げろ!」

この地に生きる定めと知りながら
海が育んでくれる穏やかな明日を夢見て
いつか穏やかな浜辺に戻れる日まで。

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