絆の崩壊と民主・社民・国新3党政府の目指すもの

私自身は非自民、非共産、非宗教政党であるが、
個々の政策について反自民、反共産、反宗教政党ではない。
だから、ここから先、共産党系の活動家の方々の闘いについて語るが、
私自身が共産主義を信じているわけでもないことに留意して欲しい。

今、民主・社民・国民新党連立政権において、
「崩壊した人々の絆を取り戻す」
ということが主眼に挙げられている。

その崩壊のきっかけは、私は一番に、私が生まれた年に発生した
一人の従業員が解雇された事件とその判決にあったと見ている。

田中秀幸さん。日立製作所の社員であったが、
「終業後にプライベートで他の人と会う約束をしていた」ため、
その日いきなり言われた残業命令を拒否して帰宅した。

ただ一度、大事なプライベートの約束を守るために彼が選んだ残業拒否。
しかし、日立製作所は彼に解雇処分を下す。
そしてそれを一審は不当解雇と認めたものの、上級審で逆転敗訴させされ、
その決定過程で政府側から裁判所への働き掛けがあったことが記録に残っている。

つまり、国家は、個人が自らの自由時間に何らかの約束を交わしていても、
その約束を雇用主の胸先三寸でぶち壊しに出来るという国にしたのだ。

それを持って労働者たちは家庭を大切にしなくなった。

当時主流だった「男が働き、女は家庭を守る」ということを固定化したのだ。
よって、男は家庭の中で父親として家族と自由時間を過ごす権利を失った。
母親は夫の助けも無い中でいびつな子育てを一身に担わされた。
子供は父親と触れ合う時間を失い、父親と心を通わしたり、
父親の知識を伝授してもらうチャンスも無いまま、
どんどん自動的に「20歳になれば大人」というような
文化も伝統もないがしろな形に育て上げられていった。

次第に共働き家庭や一人親家庭が増えるに連れて事態は悪化をする。
親は低賃金長時間労働で粥をすするような極貧の生活のなかで、
まるで子供を餌付けするのがやっとのような子育てを強いられる。
子供はもはや片方の親さえ満足に顔を会わせられない、
孤独な育ち方を強いられる。

そして「会社命令至上主義」の行く末が、転勤命令への絶対服従である。

ケンウッドのとある母親は、共働きで子供を保育園を利用して養育しているのに、
片道何時間もの遠い勤務先に転勤命令を出されて、家庭を崩壊させられた。
裁判所はまたしても労働者を切り捨てる判決を下して、
子供と親との絆を傷つけることに拍車をかけた。

家族との絆を残業命令への絶対服従で失い、
地域との絆を転勤命令への絶対服従で失った社会。
その結果、どんどん人々は根無し草のように漂流を始める。
もはや日本人かどうかに関係なく、
労働者たちは会社命令のまま、家族との時間を持たず、
地域と関わるチャンスも持たず、
一人の労働部品のように、
会社命令の赴くままに右へ左へと動かされる存在になった。

こんな社会にしておいて、自動的に一定の年齢に達したことだけを理由に、
「自己責任」を背負わされれば、もはやその社会は「バトル・ロワイヤル」
(小説・漫画・映画など)と何が違うのか。

「自分一人が生き残るために友人さえ蹴落とす社会」

これがバトル・ロワイヤルでの体制側の大人の命令だった。
子供たちは絆をことごとく引きちぎられて正気を失っていく。

だから、私はこの作品(とりわけ映画作品)が
決して暴力作品として「子供への害悪のあるもの」と
片付けられるべきでないと思う。
この作品は、これまでの自民党中心政権がぶち壊してきた
人々の心の絆(家庭、地域)の行く末を的確に指摘した警告作品だと
私には見えた。だから、これまでも(官憲に潰された私の掲示板などで)
「もっと人々が目を背けずに見るべき作品だ」
と訴えてきたのだった。

家族も地域も失った漂流する人々が、
最後の繋がりである職場さえ解雇・倒産で失った時、
出現したのが「生活保護却下で孤独死」、
「派遣労働者が秋葉原で大量殺人」、
そしてホームレスの大量発生である。

ささやかな絆を繋ぎたくて、バトル・ロワイヤルの当該者たちは体制に反旗を翻す。
おととし暮れから昨年初めに発生した年越し派遣村が絆をかろうじて保ったのだ。

そして「絆」を大切にする民主党主導の政権の発足。
確かに金にまつわる問題や重要閣僚の健康悪化による辞任など、
気になる要素はあるが、私は今、まだ今の政府を信じている。
もう一度大切な絆を繋ぐために、彼らは精一杯努力している。
その努力を今は応援したい。
「世界の日立」に挑む―日立残業拒否解雇事件の30年
学習の友社
宮原 寿男

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