「気骨の判決」(NHK)を観て

本日、極めて興味深いドラマを観た。
本放送は終戦記念日特集として8月に一度放送されたが
その際には私自身極めて重大な問題に直面していて
テレビで何が放送されるのかも気がつかないままであった。

今日は出勤日だったのでパソコンで録画して
先ほど観終わったばかりではあったが、
戦中の大政翼賛社会の中にあって、
大勢翼賛勢力の公然とした選挙妨害事件を
司法の良識に従ってはっきりと

「選挙は無効」

と言い渡した裁判官(吉田久という人物)が
大審院にいたことを初めて知った。

「このドラマは実話をもとにしたフィクションです」
という但し書きが付いていることや、
現存している資料が戦災の焼失を免れた
判決原本のみであることから、それ以外の
かなりの部分が創作で作られている可能性が
否定できない。

しかし、判決原本がしっかりと存在していて、
厳然たる歴史事実はここに記録されているのである。

「時局に機敏に対応した判決を」
「今は選挙をやり直していられる余裕はない」

という類の言葉は昨年秋ぐらいにもどこかのA総理が
言っていたことにダブって聞こえてくるのだが、
法律に愚直に従って判決を言い渡すことが正義だと
その時の吉田久裁判官および同僚たちが結論し、
昭和20年3月1日、判決が言い渡された。

実に重みのある日付だ。3月10日には
東京大空襲にて大審院は全焼してしまう。
もしも吉田が判決言い渡しをもう少し躊躇していたら、
戦災のために証拠が一切焼失して
この画期的な判決は下せないままになっていたかもしれない。
判決文としてしっかり形に残り、
しかも運よく焼失を免れて昭和60年に発見された。

しかも今日、2つの大きな司法関連の話題が報道された。

1つは最高裁で退去命令の取り消し請求訴訟の敗訴が確定した姉妹が
千葉景子法相からの在留許可が出て敗訴判決の効果が取り消された。

2つは19日に最高裁が判決言い渡しを強行しようと突っ走っていた
政党ビラの配布弾圧事件で、急遽判決言い渡し期日が取り消された。

ねじ曲がった反動司法が修正されるのだろうか。
きちんと真面目に法律を守る司法が再構築されるのであろうか。
極めて興味深い司法の話題3つであった。



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  • 「気骨の判決」 発見は昭和60年?平成18年?

    Excerpt: 「「気骨の判決」(NHK)を観て」について 昭和20年3月1日に選挙無効の判決を大審院の吉田久裁判長が 下したことは事実として揺らがないようであるが、 極めて不思議な日付がネット上で飛び交っている.. Weblog: かわいい猫には、また旅をさせよ。 racked: 2009-10-11 00:45